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9話 ムスッとしたフィオナへの開き直り

Author: みみっく
last update Huling Na-update: 2025-10-22 12:28:48

 メイドさんがレイニーの分の紅茶を用意してくれ、レイニーは自ら気まずいお茶会に足を踏み入れてしまった。

「えっと……なんのお話をしてたの?」

 レイニーは、沈黙を破るために話を振ってみた。

「これといって、お話は……」

 ルナが苦笑いをして答えてくれた。その声には、気まずさが滲んでいる。

「そうなんだ。ルナ、この後さ、お昼一緒にたべよ?」

 (可愛い妹のルナと一緒にお昼を食べれたら最高だなぁ♪) レイニーの顔には、期待の笑顔が浮かぶ。

「はい。よろこんで、ご一緒いたします♪ お兄様」

 ルナは、嬉しそうな笑顔で頷いてくれた。

 レイニーとルナは、魔法の話で盛り上がった。

(フィオナの第一印象は最悪だったと思う。お客様のフィオナの相手をせずに、ルナとばかり話をしていたのだから。でも、仕方ないでしょ……ムスッとしているのが悪い!) レイニーは、心の中で開き直った。

「フィオナは、魔法の属性は?」

 ルナと二人で話しているのも悪いと思い、レイニーはフィオナに話を振ってみた。

「……べつに。魔法の練習はしていますけれど……詳しくは知りませんわ」

 フィオナは、興味なさそうな感じで、レイニーからそっぽを向いて答えた。

(魔法にも、俺にも興味がなさそうだ。まあ、俺も興味はないけどね。今は、ルナちゃんが妹であり友人でもあるし。)レイニーの顔には、諦めの色が浮かんだ。

「ルナは、午後から何するの?」

 レイニーは、ルナに尋ねた。俺は魔法の練習をしたいだけで予定はない。ルナが暇だったら誘って、一緒に魔法の練習をしたいなぁ。

「えっと……ですね、今日はフィオナさんと一緒にいますよ。お兄様は……?」

 ルナもレイニーの予定を聞いてきた。ルナと一緒にいたいけど、ムスッとした王女様とは一緒にいたくない。それなら気軽に魔法の練習をしたいかなぁ。レイニーは、少しばかり残念に思った。

「俺は……午後からは、魔法の練習をしようかなって思ってるよ」

 フィオナは、相変わらずそっぽを向いて話に参加する気がないらしい。一応、お客様だし、誘わないとかなぁ。レイニーは、形式的にフィオナに声をかけることにした。

「ん……あのぉーお昼、良かったら一緒に食べる?」

 レイニーは、恐る恐るフィオナに聞いてみた。

「わたしは、両親と食べるので……お構いなく」

 目も合わせずに即答された。(関わりたくないんだろうなぁ。それにしても……ルナは大変だなぁ、ムスッとした子の相手をさせられてるんだから。)レイニーは、ルナに同情した。

 とか思っていたら……メイドさんがやってきた。「ルナ様、国王様がお呼びでございます」と呼ばれてしまい、ルナは行ってしまった。

(あれ? これって……俺が相手をしないとじゃないの? えぇ……?) レイニーは、途方に暮れた。

「はぁ……。どうしたの? ずっと不機嫌そうだけど……」

 レイニーは、思い切ってフィオナに尋ねてみた。

「べつに……不機嫌ではないですわ。普通ですけれど」

 今度は、振り向き、レイニーの顔を見て答えてくれた……が、ムスッとしてるのは変わらず。その表情からは、レイニーへの警戒心が読み取れる。

「そうなの? 隣に座っても良い?」

 レイニーは、諦めずに歩み寄った。

「ご自由に、どうぞ」

 フィオナの声には、無関心さが滲んでいた。べつに、仲良くなりたいわけじゃないけど……少しは気まずくなくなるかと思ったが、失敗かも。レイニーは、そう思った。

 (隣に座ったのは良いけど、何を話して良いのやら……我が妹よ、早く帰ってきてくれ。)レイニーは、心の中でルナに助けを求めた。

「えっと……”フィー”は、なにか趣味とかあるの?」

 レイニーは、とりあえず——めげずに話題を振ってみた。

「……フィー? フィーとは、わたしのことかしら……?」

 フィオナは、ムスッとした顔でレイニーを睨んだ。

(会ってすぐに愛称で呼ぶのは、気が早かったかぁ……。)レイニーは、自分の軽率な行動に反省した。

「あ、ごめんね。嫌だったら……やめるよ……」

 レイニーは、すぐに謝罪し、他の話題を考え始めた。

(というかさぁ……。一応、話題も振ったんだけどなぁ……。)レイニーの顔には、困惑の色が浮かぶ。

 ——すると。

「……レイくんは、趣味があるのかしら?」

 フィオナは、そっぽを向いたまま、たぶん……頬を赤くさせて聞いてきた。フィオの耳が赤くなっているのが見えた。しかも俺に愛称をつけてくれたらしい。それに俺に興味を持ってくれた? まぁ……気まずいからかな。レイニーは、フィオナの意外な反応に少し驚いた。

「俺は、魔法と冒険かな! えへへ……♪」

 レイニーは、満面の笑顔で答えた。

「魔法は、分かりますけれど……冒険ですか? 冒険をしているのですか? レイくん……王子ですよね?」

 フィオナは、小首をかしげ、ムスッとした表情から不思議そうな表情に変わっていた。その声には、驚きと、どこか興味が混じっている。

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